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カルメン






オペラ・データ

【作曲】
ジョルジュ・ビゼー(1872〜74年)

【初演】
1875年3月3日 パリ、オペラ・コミック座

【台本】
ルドヴィック・アレヴィ、アンリ・メイヤック(フランス語)

【原作】
プロスペル・メリメの小説『カルメン』

【演奏時間】
第1幕 50分
第2幕 40分
第3幕 60分  合計 約2時間30分



あらすじ

【時と場所】 
1820年頃、スペインのセヴィリャ

【登場人物】
カルメン(Ms): ジプシーの女
ドン・ホセ(T): 軍隊の兵士
エスカミーリョ(Br): セヴィリャの闘牛士
ミカエラ(S): ホセの故郷の許嫁
ほか

【第1幕】
時は1820年頃、舞台はスペインのセヴィリャ。タバコ工場で働く女工たちの中で、若い男たちに一番人気のあるジプシーのカルメンは「ハバネラ」を歌って男たちを魅了します。ところが、衛兵のドン・ホセだけは彼女に興味を示しません。そこでカルメンは胸に付けていたカッシアの花をホセに投げつけ、去っていきました。
仕事に戻った女工たちは工場の中で喧嘩騒ぎを起こします。原因はカルメンで、彼女は捕らえられます。でもカルメンは、衛兵のホセを誘惑して手縄をゆるめさせ、逃げ去りました。
 
【第2幕】
1か月後、カルメンを逃がした罪で禁固となっていたホセが、閉店後の酒場にいた彼女に会いに行きます。ホセは彼女からもらった花を手に愛を告白しますが、それならばとカルメンは彼に軍隊に帰営しないで、すべてを捨てて自分の下に残るように求めます。ホセは迷いました。そして仕方なく脱走兵としてジプシーの仲間となったのです。
 
【第3幕】
カルメンのジプシー仲間は密輸をして稼いでいました。そのことを知って後悔するホセ。カルメンはそんな彼に愛想を尽かします。カルメンの恋心は、すでに闘牛士エスカミーリョに移っていました。
そこへホセの故郷から娘ミカエラが訪ねてきます。彼女からホセの母が重病だと聞いて、彼は故郷に帰ることにします。
1か月後、闘牛場前の広場。この日は闘牛の当日で、カルメンと愛の言葉を交わした闘牛士エスカミーリョが闘牛場に入っていきます。広場に残ったカルメンの前に現れたのが、戻ってきたホセです。やり直そうと言うホセでしたが、カルメンは彼を相手にしません。しつこく食い下がるホセに対し、カルメンは昔もらった指輪を投げつけました。そのときホセは激昂してカルメンを刺し殺してしまいます。そしてその場に呆然と立ちつくしたのでした。



解説(ポイント)

【1】 ビゼーの渾身の一作
 
オペラ『カルメン』も有名なタイトルですが、作曲家ビゼーにとっては唯一のヒット作だったかもしれません。管弦楽組曲『アルルの女』で初めて名声を得たビゼーは、その後の2年間、このオペラに全力を注ぎました。しかし、初演はオペラの内容とは別のところ、いわゆる上演トラブルのため、大失敗となってしまいました。その3か月後、ビゼーは37才という若さで急逝します。それから4か月後に、ビゼーの友人の作曲家ギローが、曲間の台詞部分をレチタティーヴォに改編し、やっと評価を得たのでした。
 
【2】 フランス・オペラの代表作
 
たとえ初演の評価が低くても、現在まで『カルメン』がこれだけの人気を得ているのにはわけがありそうです。このオペラは、一見して何気ないロマン派オペラと思われがちですが、その劇的な効果とリアリズムの手法は、その後のイタリアで主流となるヴェリズモ・オペラの先鞭となりました。歴史的にも重要な作品となったのです。フランス・オペラの代表作として、魅力的な音楽にもあふれており、ビゼーはこの一作でヴェルディやワーグナーに匹敵する地位を確保しています。
 
【3】 どこかで聴いたあの音楽
 
誰もが聴いたことのある前奏曲や、カルメンの歌う「ハバネラ」など、有名な曲がズラリとならんでいるので、「オペラは長くて・・・」と思う人でも退屈しません。第2幕でエスカミーリョが歌う「闘牛士の歌」は、文句なしにかっこいいですし、また、第3幕で可憐な娘ミカエラが歌うアリア「何が出ても恐くない」は、叙情的で極めて美しい曲です。スペインを舞台にした異国情緒あふれる音楽が、オペラ入門者にも親しみやすさを提供してくれます。



おすすめディスク

【CD】
カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、パリ・オペラ座合唱団
バルツァ(Ms) カレーラス(T) ヴァン・ダム(Br) リッチャレッリ(S)
(録音1983年、Deutsche Grammophon)
 
まずは定盤とも言うべきカラヤンの録音をおすすめ。バルツァは、カルメンを歌う現代最高の歌手と言われています。エスカミーリョを歌うヴァン・ダムもスッキリとしたいい声です。


【CD】
シノーポリ指揮
バイエルン国立歌劇場管弦楽団、合唱団
ラーモア(Ms) モーザー(T) レイミー(Br) ゲオルギュー(S)
(録音1996年、TELDEC)
 
レイミーのエスカミーリョが特に闘牛士としての力強さを持っています。ラーモアはカルメンの美しさに重点を置いた歌唱。モーザーのホセは聴き込むほど納得できるはず。ゲオルギューのミカエラが聴けるのもうれしいCDです。


【DVD】
クライバー指揮、ゼッフィレッリ演出
ウィーン国立歌劇場管弦楽団、合唱団
オブラスツォワ(Ms) ドミンゴ(T) マズロク(Br) ブキャナン(S)
(録画1978年、TDK CORE)
 
理想的な映像。クライバーの指揮にのって、歌手が生き生きとしています。ドミンゴのホセはさすがという役作り。ブキャナンが歌うミカエラのアリアも聴き応えがあります。


【DVD】
パッパーノ指揮、ザンベッロ演出
ロイヤル・オペラ管弦楽団、合唱団
アントナッチ(Ms) カウフマン(T) ダルカンジェロ(Br) アンセレム(S)
(録画2007年、DECCA)
 
オーソドックスにまとめてある『カルメン』。カルメンの仲間たちなども巧い歌手で固められています。カルメン役のアントナッチとホセ役のカウフマンによるラストシーンは、体当たりの演技で迫ってきます。







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