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【作曲】
黛敏郎 1972~76年に作曲
【初演】
1976年6月23日 ベルリン・ドイツ・オペラ
【台本】
クラウス・H・ヘンネベルク(ドイツ語)
【原作】
三島由紀夫の小説『金閣寺』
【演奏時間】
第1幕 40分
第2幕 40分
第3幕 40分 合計 約2時間
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【時と場所】
1950年頃、京都
【登場人物】
溝口(Br): 徒弟
父(Br)
母(S)
若い男(T): 母の愛人
道詮和尚(Bs): 金閣寺の住職
鶴川(Br): 徒弟
女(S): 生け花の師匠
柏木(T): 溝口の友人
娼婦(Ms)
ほか
【第1幕】
時は1950年、舞台は京都の金閣寺。片手に障害がある溝口は、金閣寺は焼かれねばならないという想念に取りつかれています。彼は好きだった女性に死なれ、母が若い男と不倫し、そして病気の父に連れられて金閣寺を訪れ、その住職の道詮和尚にあずけられました。一人で家に帰った父は寝込み、そのまま亡くなります。溝口は、同じ寺に住む鶴川に連れられて南禅寺を訪れると、男を戦場に送り出す若くて美しい女を見て、彼女に魅了されました。
【第2幕】
終戦後、娼婦を連れて金閣寺に来た米兵は、溝口に対し、その娼婦のことを踏みつけるように命じます。彼はその通りにして、娼婦は流産しました。
溝口は、足に障害がある友人の柏木に、女と寝てみたいと話し、彼から生け花の師匠を紹介されます。その女性は、かつて南禅寺で見た美しい女でした。他方、娼婦の事件で、溝口の罪をかぶって、鶴川は自殺をしました。
【第3幕】
溝口は、柏木からお金を借り、そのお金で酒場や売春宿に通っていましたが、道詮和尚と母に叱責されます。その後、柏木に会った溝口は、彼から鶴川が残した最後の手紙を受け取りました。溝口は金閣寺に向かいます。麻くずとガソリン、それにマッチを握りしめ、自らとともに金閣寺に火を放ったのでした。
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【1】 日本人作曲家によるドイツ語オペラ
1970年にベルリンで初演されたオペラ『金閣寺』は、日本の作曲家・黛敏郎の代表作です。ベルリン・ドイツ・オペラの委嘱で、三島由紀夫の『金閣寺』を原作として、ドイツ語に訳された台本に寄っています。日本では、1991年に東京Bunkamuraオーチャードホールで初演されましたが、そのときも原語のドイツ語で上演されました。これは作曲者の黛が、オペラは最初に作曲された言葉で上演すべきという考えを持っていたからです。その後は2000年代になっても上演の機会がありました。
【2】 三島由紀夫の小説をオペラ化
評論家の吉田秀和によれば、ベルリン・ドイツ・オペラの総監督だったグスタフ・ルドルフ・ゼルナーから、日本のオペラの中で、ベルリンで上演するのに適当なのは何か、と新作の委嘱も含めて問われたそうです。この吉田からも話があって黛はゼルナーと話し合い、『金閣寺』を題材としてオペラ創作を始めることを決心したということです。
【3】 輝く金閣寺の存在と音楽
このオペラでは、合唱がいわゆる語り手の役割を担い、その情景描写と登場人物の心理を表現しています。その点では、オラトリオ的な形式美も持っているとも言えるでしょう。主人公の溝口の暗い心理と、輝く金閣寺の存在そのものが対比されて、それが音楽で表現されています。
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【CD】
岩城宏之指揮
東京フィルハーモニー交響楽団、東京混声合唱団
勝部太(Br) 山口俊彦(Bs) 佐野正一(Br) 蔵田雅之(T) 大沼美恵子(S)
(録音1991年、FONTEC) |
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このオペラには、日本初演時のライブ録音があり、日本発信のオペラの代表作を味わうことができます。
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