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ソプラノ








【ア】


アップショウ,ドーン  (1960-、アメリカ)
 テネシー州に生まれ、マンハッタン音楽学校で学んだ後、1984年にはメトロポリタン歌劇場にデビューして、翌年に同歌劇場と契約を結ぶ。1986年、ザルツブルク音楽祭に初出演する。特にスーブレットとして活躍しているほか、現代の作品をもレパートリーとしている。

ヴァドゥーヴァ,レオンティーナ  (1960-、ルーマニア)
 ブカレスト音楽院で学び、1986年、トゥールーズ声楽コンクールで優勝。翌1987年、プラッソン指揮、トゥールーズ歌劇場『マノン』のタイトルロールでデビューする。フランスで活躍した後、ヨーロッパ各地の歌劇場に出演。美しい響きの声を持ち、マノン、ジュリエットなどのフランス・オペラのヒロイン役に定評がある。

ヴァラディ,ユリア  (1941-、ルーマニア)
 クルージュ音楽大学、ブカレスト音楽院で学び、1962年、クルージュ歌劇場にデビューしてから、同歌劇場で10年間活躍した。1972年、ケルン歌劇場でヴィオレッタを歌い、その後、バイエルン国立歌劇場のメンバーとなり、ドラマティック・ソプラノの役を歌う。夫はフィッシャー=ディースカウ(Br)。

ヴァーレット,シャーリー  (1931-、アメリカ)
 ニューオーリンズに生まれ、ジュリアード音楽院で学ぶ。1957年、スポレートのルクリシアの陵辱』でデビュー。1958年、ニューヨーク・シティ・オペラにデビューし、その10年後にメトロポリタン歌劇場にカルメンでデビューしている。広い声域により、ソプラノからメゾ・ソプラノまで多くのレパートリーを持つ。

ヴォイト,デボラ  (1960-、アメリカ)
 サンフランシスコ・オペラで歌った後、1991年にヴェルディの声コンクール、チャイコフスキー・コンクールで優勝し、メトロポリタン歌劇場等で活躍する。主にワーグナー、R.シュトラウスをレパートリーとし強靱な声を誇る。体重が135kgあり衣裳が着られず降板したこともあったが、胃の手術を受け減量に成功した。


【カ】


ガイヤルド=ドマス,クリスティーナ  (19??-、チリ)
 サンティアゴの音楽院に学び、1990年、サンティアゴ市立歌劇場で『蝶々夫人』のタイトルロールでデビュー。1994年、ミラノ・スカラ座に『つばめ』のマグダでデビューし、その後、欧米の主要な歌劇場で活躍する。ヴィオレッタ、ミミ、リュー等のヒロインを演じる力がある。

カバイヴァンスカ,ライナ  (1934-、ブルガリア)
 ソフィア音楽院で学び、1957年にソフィア国立歌劇場『エウゲニ・オネーギン』のタチヤーナでデビュー。イタリア・ミラノに渡り研鑽を積み、1961年にミラノ・スカラ座にデビュー。その後もメトロポリタン歌劇場に『道化師』のネッダでデビューするなど、世界的な活躍をした。 

カラス,マリア  (1923-1977、ギリシャ)
 ニューヨークに生まれ、14才で母と姉とともにギリシャに戻り、アテネ音楽院で学ぶ。1941年、アテネ歌劇場にデビューする。イタリアで活躍の場を見出し、セラフィン指揮でヴェローナ野外劇場『ジョコンダ』を歌う。フィレンツェ、ミラノと渡り、演出家ヴィスコンティとともにオペラ史に残る名演を数多く残す。パリで謎の死を遂げる。 

カバリエ,モンセラ  (1933-、スペイン)
 バルセロナに生まれ、リセオ音楽院に学び、1957年、バーゼル市立劇場に『ラ・ボエーム』のミミでデビュー。1965年、カーネギー・ホールで『ルクレツィア・ボルジア』のタイトルロールをマリリン・ホーンの代役で歌い注目され、世界的なプリマ・ドンナの道を歩むこととなった。驚異的なレパートリーを誇る。 

グルベローヴァ,エディタ  (1946-、スロヴァキア)
 生地ブラティスラヴァでデビューした後、1970年、ウィーン国立歌劇場に『魔笛』の夜の女王でデビュー。1976年のベーム指揮『ナクソス島のアリアドネ』のツェルビネッタで大成功し、コロラトゥーラ・ソプラノとしての地位を不動のものとした。世界中で最も評価の高いソプラノであり、現代最高のプリマドンナ。 

グレギーナ,マリア  (1964-、ウクライナ)
 オデッサで生まれ、ミンスク歌劇場に所属した。1987年、ミラノ・スカラ座にマリア・キアーラの代役で『仮面舞踏会』のアメリアでパヴァロッティと共演しデビュー。同歌劇場では『マノン・レスコー』も歌い、ヴェルディ、プッチーニ等をレパートリーとし、ドラマティック・ソプラノとして第一線で活躍する。 

ゲオルギュー,アンジェラ  (1965-、ルーマニア)
 ブカレストの音楽大学で学び、1990年、クルージュ国立劇場で『ラ・ボエーム』のミミを歌いデビュー。その後、1993年には同じくミミを歌いメトロポリタン歌劇場にデビューした。1994年、コヴェント・ガーデン王立歌劇場でショルティ指揮『椿姫』で空前の成功を収め、プリマ・ドンナの仲間入りをした。 

コトルバス,イレアナ  (1939-、ルーマニア)
 1964年、ブカレスト国立歌劇場にデビュー。その3年後、ブリュッセルのモネ劇場でコンスタンツェとパミーナを歌い、センセーションを巻き起こした。その後も、コヴェント・ガーデン王立歌劇場にタチヤーナ、ウィーン国立歌劇場にパミーナでデビュー。細かい表現を使いながら、無理なく高音を出す。

ゴルチャコーワ,ガリーナ  (1962-、ロシア)
 ノヴォクズネツクに生まれ、ノヴォシビルスク音楽院とシベリア音楽院に学ぶ。1988年、スヴェルドロフスキー歌劇場に入団、1990年にキーロフ・オペラに移り、『炎の天使』のレナータで頭角を現す。『エウゲニ・オネーギン』のタチヤーナ、『運命の力』のレオノーラなどを得意とし、ロシアを代表するソプラノ。 


【サ】


サザーランド,ジョーン  (1926-、オーストラリア)
 シドニーとロンドンで学び、1952年、コヴェント・ガーデンにデビュー。1954年、指揮者のボニングと結婚した。1959年、コヴェント・ガーデンの『ランメルモールのルチア』で大成功を収め、完璧なコロラトゥーラ・ソプラノとして君臨した。英デカへ数多くのオペラ録音を残し、一時代を築きあげた。

シェーファー,クリスティーネ  (1965-、ドイツ)
 フランクフルトに生まれ、ベルリン芸術大学で学んだ後、オジュー(S)、ディースカウ(Br)に師事。1991年、モネ劇場に『魔笛』のパパゲーナでデビュー。1995年、ザルツブルク音楽祭で『ルル』のタイトルロールで成功を収め注目された。表現力ある演技に定評があり、現代作品にも強い。 

シュヴァルツコプフ,エリーザベト  (1915-、ドイツ)
 ベルリン音楽大学に学び、1938年、『パルジファル』の花の乙女でデビュー。ベルリンや、ウィーン国立歌劇場、コヴェント・ガーデン等の一流歌劇場で活躍する。夫がフィルハーモニア管弦楽団の生みの親、EMIの名プロデューサーのウォルター・レッグであったことから録音も多い。ドイツ・リートの分野でも偉大な功績を残す。

シュテンメ,ニーナ  (1963-、スウェーデン)
 1993年にドミンゴ主催の国際コンクールで優勝した。2002年にザルツブルク音楽祭、2003年にグラインドボーン音楽祭で歌い注目され、2005年には東芝EMIが『トリスタンとイゾルデ』のCDをリリースした際、ドミンゴの相手役としてイゾルデを務めた。同年にバイロイト音楽祭でもイゾルデを歌っている。

ジョー,スミ  (1962-、韓国)
 ソウルに生まれ、ローマに留学、聖チェチーリア音楽院で学ぶ。1986年にトリエステの歌劇場に『リゴレット』のジルダでデビュー。1988年にミラノ・スカラ座にデビュー。翌年、カラヤンに見出されてザルツブルク音楽祭に『仮面舞踏会』のオスカルでデビューした。その後も欧米の歌劇場に出演。 

ステューダー,チェリル  (1955-、アメリカ)
 ウィーン音楽大学に留学し、ハンズ・ホッターらに師事した。1985年、バイロイト音楽祭『タンホイザー』のエリーザベトを歌い、大成功した。その後、90年代はヨーロッパ各地で万能な活躍をした。1998年、バイエルン州立歌劇場から高音の不備を理由に解雇され訴訟にまで発展したが、その後復調して和解している。 

ストラータス,テレサ  (1938-、カナダ)
 トロントに生まれ、同地の音楽院で学び、1958年、トロントで『ラ・ボエーム』のミミでデビュー。翌年、メトロポリタン歌劇場のオーディションに合格し、同歌劇場で様々な役を歌い古典から現代まで幅広いレパートリーを持つ。1979年にブーレーズ指揮するパリ・オペラ座『ルル』3幕版の世界初演でタイトルロールを歌う。

セッラ,ルチアーナ  (1947-、イタリア)
 イタリアのジェノヴァに生まれるが、1966年にブダペストでデビュー。1975年に故郷に戻り、『リゴレット』のジルダを歌う。1970年代後半から実力が急速に認められ、以後、イタリアを代表するコロラトゥーラ・ソプラノとなる。『魔笛』の夜の女王を最も得意とする。 


【タ】


ダムラウ,ディアナ  (19??-、ドイツ)
 ヴュルツブルク音楽大学とザルツブルクで声楽を学び、ヴュルツブルク歌劇場、フランクフルト歌劇場などのメンバーとして研鑽を積む。コロラトゥーラ・ソプラノとして、すでに2003年のコヴェント・ガーデン、2006年のザルツブルク音楽祭での『魔笛』の夜の女王がDVDとしてリリースされている。歌唱だけでなく、力強い演技力も持つ。

チョーフィ,パトリツィア  (1967-、イタリア)
 シエナ近郊に生まれ、リヴォルノのピエトロ・マスカーニ音楽院で学ぶ。また、ベルゴンツィやヴァーレットのマスタークラスを受講。1997年、ミラノ・スカラ座にムーティ指揮『椿姫』のヴィオレッタでデビュー。2002年にコヴェント・ガーデン、2008年にウィーン国立歌劇場にデビュー。ヴィオレッタ、ジルダ、アミーナなどを得意とする。

デヴィーア,マリエッラ  (1948-、イタリア)
 ローマの聖チェチーリア音楽院で学び、1973年に『ルチア』のタイトルロールでデビュー。その後も、1983年にメトロポリタン歌劇場『ルチア』を始め、ミラノ・スカラ座、コヴェント・ガーデンなど世界の一流歌劇場で活躍。その歌唱技術は安定感があり、ベルカント・オペラを中心にプリマ・ドンナとして君臨する。

テ・カナワ,キリ  (1944-、ニュージーランド)
 ギスボーンで生まれ、ロンドン・オペラ・センターで学ぶ。1971年、コヴェント・ガーデンに『フィガロの結婚』の伯爵夫人で大きな成功を収めたのを皮切りに、メトロポリタン歌劇場、ウィーン国立歌劇場に『オテロ』のデズデーモナでデビューしている。美しい舞台姿は元帥夫人、アラベラなどで定評がある。 

デッシー,ダニエラ  (1957-、イタリア)
 ジェノヴァに生まれ、パルマ音楽院、シエナのキジアーナ音楽院で学ぶ。1979年、ジェノヴァで『奥様女中』のセルピーナでデビュー。モーツァルトなどを歌っていたが、1992年にミラノ・スカラ座で『ドン・カルロ』のエリザベッタを歌うなど、次第に重い役にレパートリーを拡大し、プリマ・ドンナとして君臨する。 

デッセイ,ナタリー  (1965-、フランス)
 リヨンに生まれ、演劇の勉強をした後、ボルドー音楽院で学ぶ。ウィーンのコンクールで優勝し、数々の舞台で活躍するが、1992年、パリ・バスティーユ歌劇場で『ホフマン物語』のオランピアで頭角を現す。その後、次々と一流歌劇場に登場し、新時代のコロラトゥーラ・ソプラノとして常に最高の技術を披露する。夫はローラン・ナウリ(Br)。 

デノケ,アンゲラ  (1961-、ドイツ)
 ハンブルク音楽大学を卒業し、ウルム歌劇場やシュトゥットガルト歌劇場で多くの役をレパートリーに加える。1998年、ザルツブルク音楽祭で『カーチャ・カバノヴァ』を歌い、1999年に『オーパンヴェルト』誌の今年度最優秀女性歌手に選ばれた。ドイツ正統派ソプラノとして、ジークリンデや元帥夫人などを歌う。

テバルディ,レナータ  (1922-2004、イタリア)
 ペーザロに生まれ、同地のロッシーニ音楽院に学んだ。1946年、第二次世界大戦後のミラノ・スカラ座再開記念コンサートでトスカニーニ指揮の下に歌ったのが好評で、イタリア各地の歌劇場にデビューした。その後、ヴェルディ、プッチーニをレパートリーに世界的に活躍。マリア・カラスと人気を二分した。 

トモワ=シントウ,アンナ  (1941-、ブルガリア)
 ソフィア音楽院で学び、1965年、スタラ・ザゴラ劇場『エウゲニ・オネーギン』のタチヤーナでデビュー。1969年にベルリン国立歌劇場で蝶々夫人を歌い、1972年に同歌劇場のメンバーとなった。その後、ザルツブルク音楽祭でカラヤン指揮のオルフ『時の終わりの劇』初演を契機に、国際的に活躍の場を広げる。 


【ナ】


ニルソン,ビルギット  (1918-、スウェーデン)
 ストックホルム王立音楽院で学び、1944年、ストックホルム王立歌劇場に『魔弾の射手』のアガーテでデビュー。1954年にバイロイト音楽祭に招かれ、『ローエングリン』のエルザを歌い、その後ワーグナー歌手として第一人者となった。その圧倒的な声量と美声によりワーグナー以外でも活躍している。20世紀を代表するソプラノ。

ネトレプコ,アンナ  (1971-、ロシア)
 サンクトペテルブルク音楽院で学び、1994年、ゲルギエフの指名でマリインスキー劇場『フィガロの結婚』のスザンナでデビュー。2001年にミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場に『戦争と平和』のナターシャでデビューし、翌年、ザルツブルク音楽祭に『ドン・ジョヴァンニ』のドンナ・アンナを歌い注目を浴びる。現在、最も人気のある若手ソプラノ歌手。 

ネブレット,キャロル  (1946-2017、アメリカ)
 カリフォルニア州モデストに生まれ、南カリフォルニア大学で声楽を学び、ロッテ・レーマンやピエール・ベルナックにも師事。1969年、ニューヨーク・シティ・オペラに『ラ・ボエーム』のムゼッタでデビューした。『西部の娘』のミニー、『死の都』のマリエッタなどが最大の当たり役。

ノーマン,ジェシー  (1945-2019、アメリカ)
 ジョージア州オーガスタに生まれ、ハワード大学、ミシガン大学等で学ぶ。1969年、ベルリン・ドイツ・オペラに『タンホイザー』のエリーザベトでデビュー。1983年、メトロポリタン歌劇場の百周年記念公演『トロイの人々』でカッサンドラを歌った。リサイタルも多く、その類い希なテクニックは他の追随を許さない。 


【ハ】


バトル,キャスリーン  (1948-、アメリカ)
 オハイオ州ポーツマスに生まれ、シンシナティ音楽大学で学ぶ。ニューヨーク・シティ・オペラで歌った後、1977年、メトロポリタン歌劇場に『タンホイザー』の牧童でデビュー。世界的に活躍を始めるが、そのプリマドンナぶりが周囲と軋轢を生み、1994年にはメトロポリタン歌劇場の契約を破棄される。モーツァルトに定評がある。 

ハルテロス,アニヤ  (1972-、ドイツ)
 ケルン音楽大学で学び、1999年、カーディフ国際声楽コンクールで優勝。その後、バイエルン国立歌劇場にメータが指揮する『魔弾の射手』のアガーテでデビューした。2005年には、東京の新国立劇場に『マイスタージンガー』のエーファで登場。美しい舞台容姿のソプラノで、ザルツブルク音楽祭やメトロポリタン歌劇場でも活躍。 

プティボン,パトリシア  (1970-、フランス)
 モンタルジーに生まれ、音楽学で学士号を取得した後、パリ音楽院で声楽を学ぶ。指揮者ウィリアム・クリスティに認められ、エクサンプロヴァンス音楽祭、バスティーユ・オペラ座、ミラノ・スカラ座などで共演を重ねる。アーノンクールにも認められる。バロックを得意とするが、卓越した演技力で客席を魅了する。

プライス,マーガレット  (1941-2011、イギリス)
 ロンドンのトリニティ音楽大学で学び、1962年、ウェールズ・ナショナル・オペラ『フィガロの結婚』のケルビーノでデビュー。翌1963年にはコヴェント・ガーデン王立歌劇場にも同役でデビューする。以来、滑らかな声を駆使してモーツァルトの諸役を中心に活躍。

フリットリ,バルバラ  (1967-、イタリア)
 ミラノに生まれ、ミラノ音楽院で学んだ後、フィレンツェ歌劇場でデビュー。最初は伯爵夫人やフィオルディリージなどモーツァルトで活躍し、その後、ミミ、リュー、ルイザ・ミラーからデズデーモナ、レオノーレとレパートリーを拡大している。他に追随を許さないソット・ヴォーチェを駆使し、プリマ・ドンナの地位を不動のものとしている。 

フレーニ,ミレッラ  (1935-、イタリア)
 モデナで『カルメン』のミカエラを歌ってデビューした後、1963年、ミラノ・スカラ座カラヤン指揮ゼッフィレッリ演出『ラ・ボエーム』のミミを歌い、ソプラノ・リリコのトップに躍り出る。その後、レパートリーを次第にデズデーモナ、エリザベッタ、タチヤーナなどの重い役に広げるが、その歌唱はますます充実していく。夫はギャウロフ(Bs)。 

フレミング,ルネ  (1959-、アメリカ)
 ペンシルヴァニア州に生まれる。ドイツでシュヴァルツコプフ(S)等に師事し、アメリカに帰ってジュリアード音楽院でさらに学ぶ。1988年にヒューストン・グランド・オペラ『フィガロの結婚』の伯爵夫人でデビューし、1991年には同役でメトロポリタン歌劇場にデビューする。『ばらの騎士』の元帥夫人等を得意としており、スケールの大きい歌唱に定評がある。 

ペリー,ジャネット  (1947-、アメリカ)
 カーティス音楽院に学び、1969年、リンツ歌劇場『ドン・ジョヴァンニ』のツェルリーナでデビュー。その後は、バイエルン国立歌劇場やケルン歌劇場など主にドイツ・オーストリアを中心に活躍し、モーツァルトの諸役やツェルビネッタ、オランピアなどのコロラトゥーラの役を得意とする。 

ベーレンス,ヒルデガルト  (1948-2009、ドイツ)
 始めは法律を学び、その後フライブルク音楽アカデミーで声楽を学ぶ。1971年、オブナブリュック市立劇場で『フィガロの結婚』の伯爵夫人でデビュー。1973年からライン・ドイツ・オペラのメンバーとなり、その後、ドイツ各地やウィーンで活躍する。レオノーレ、アガーテ、サロメなどを得意とする。

ヘンドリックス,バーバラ  (1948-、アメリカ)
 アーカンソー州スティーヴンスに生まれ、ジュリアード音楽院で学ぶ。マリア・カラスのマスタークラスでも学び、1972年、パリ国際声楽コンクールで優勝。カラヤンに認められ欧州に進出。モーツァルトの諸役などリリックな役や、フランス歌曲を中心にコンサート歌手として活躍。

ポップ,ルチア  (1939-1993、スロヴァキア)
 始めは女優を目指していたが、歌手に転向。カラヤンに認められてウィーン国立歌劇場と契約を結ぶ。若い頃は『魔笛』の夜の女王などコロラトゥーラの役で成功を収めていたが、次第にリリック・ソプラノの役を歌い、凛とした歌唱で第一人者となる。欧米の歌劇場でモーツァルトを中心にドイツ・オペラで活躍。1986年、ザイフェルト(T)と結婚。

ボニー,バーバラ  (1956-、アメリカ)
 ニュージャージー州で生まれ、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院に留学した。1979年、ダルムシュタットとフランクフルトの歌劇場でデビュー。C.クライバー指揮『ばらの騎士』のゾフィーで成功を収め、世界中の一流歌劇場で活躍する。モーツァルトの諸役のほか、歌曲、声楽曲の分野を重視している。

ポラスキ,デボラ  (1949-、アメリカ)
 ウィスコンシン州に生まれ、オハイオ音楽院で学び、グラーツに渡りさらに学ぶ。1976年、ゲルゼンキルヘン歌劇場に『さまよえるオランダ人』のゼンタでデビュー。1987年にアムステルダムでイゾルデを歌い、翌年、バイロイト音楽祭でブリュンヒルデを歌ってデビューした。大型ワーグナー歌手として注目されている。


【マ】


マクネアー,シルヴィア  (1956-、アメリカ)  
 オハイオ州に生まれ、インディアナ大学で音楽を学ぶ。1980年にモーストリー・モーツァルト音楽祭でオペラデビュー。1989年、コヴェント・ガーデンに『イドメネオ』のイリアでデビューし、翌年、同役でザルツブルク音楽祭にもデビューした。独特の軽く柔らかい音色を持った声でモーツァルトの諸役から、歌曲によるコンサートでも活躍。

マティス,エディット  (1938-、スイス)  
 1956年にスイスのルツェルン歌劇場でデビュー。その後、ドイツ系ソプラノ・リリコとしてドイツ各地の歌劇場で活躍する。特にモーツァルトの諸役を得意とし、清らかで知的な歌を歌う。コンサート歌手として、バッハの宗教曲などの評価も高い。

マッティラ,カリタ  (1960-、フィンランド)  
 フィンランドのソメロに生まれ、ロンドンでヴェラ・ローザに師事。1981年、サヴォリンナ音楽祭に『ドン・ジョヴァンニ』のドンナ・アンナでデビュー。カーディフ国際コンクールに優勝し、1990年にウィーン国立歌劇場、メトロポリタン歌劇場にデビュー。本格派ソプラノとして、イェヌーファ、アメーリア、エリザベトなどを歌う。

マッローク,パオレッタ  (19??-、イタリア)  
 サルデーニャに生まれ、カリアリ音楽院で学び、その後、レナータ・スコットに師事。1993年、ノヴァーラの『ユグノー教徒』でデビュー。ミラノ・スカラ座には『ポッペアの戴冠』のオッターヴィアを歌った。広い声域を持ち、トスカ、アイーダ、マクベス夫人など表現力のある歌唱を聴かせる。

マルトン,エヴァ  (1943-、ハンガリー)
 ブダペストに生まれ、リスト音楽院で学び、1972年から77年までフランクフルト歌劇場と契約。その間、ウィーン国立歌劇場やメトロポリタン歌劇場など、欧米の一流歌劇場にデビューする。ドラマティックな歌唱に定評があり、トゥーランドットからエレクトラまで、レパートリーはイタリア系、ドイツ系を問わない。

マルフィターノ,キャサリン  (1948-、アメリカ)
 ニューヨークに生まれ、メトロポリタン歌劇場のヴァイオリン奏者の父から音楽の教育を受け、マンハッタン音楽学校で学ぶ。1971年、『ファルスタッフ』のナンネッタでデビュー。1976年にザルツブルク音楽祭にも出演し、欧米諸国を中心に活躍する。サロメ、トスカ、ルルなどレパートリーは幅広い。

ムーラ,インヴァ  (1963-、アルバニア)
 1987年にアルバニア声楽コンクールで1位となり、1992年にバルセロナ蝶々夫人コンクールで1位、翌年プラシド・ドミンゴ・コンクール入賞などして、オペラは母国アルバニアでデビューしている。レパートリーは広く、アディーナ、ジルダ、ヴィオレッタ、ミミなど、その極めて力のある歌唱力で歌いこなす。

メイ,エヴァ  (1967-、イタリア)
 フィレンツェのケルビーニ音楽院で学び、1990年、ウィーンのモーツァルト国際音楽コンクールに入賞。同年、ウィーン国立歌劇場に、賞を受けた『後宮からの逃走』のコンスタンツェ役でデビューする。その後は、ヨーロッパ各地の歌劇場で活躍するほか、ペーザロのロッシーニ音楽祭にも連続で出演。軽いアジリタを駆使する。


【ヤ】


ヤノヴィッツ,グンドゥラ  (1937-、ドイツ)
 オーストリアのグラーツで声楽を学んでいたが、カラヤンに認められ、1960年、ウィーン国立歌劇場と契約し、主に同歌劇場で活躍する。伯爵夫人やフィオルディリージなどモーツァルトの諸役に定評があり、安定感のある確実な歌唱を聴かせてくれる。また、シューベルトを始めとするドイツ・リートにも造詣が深い。

ユーイング,マリア  (1950-、アメリカ)
 デトロイトに生まれ、クリーヴランド音楽院で学ぶ。在学中からレヴァインに認められラヴィニア音楽祭等に招待される。1976年、メトロポリタン歌劇場に『フィガロの結婚』のケルビーノを歌いデビュー。1986年、ミラノ・スカラ座にメリザンドでデビューし欧州に活躍の場を広げた。


【ラ】


ランカトーレ,デジレ  (1977-、イタリア)
 パレルモに生まれ、最初ピアノとヴァイオリンを学ぶ。1996年、ザルツブルク音楽祭で『フィガロの結婚』のバルバリーナを歌いデビュー。『ホフマン物語』のオランピアを得意とするコロラトゥーラ・ソプラノで、この役で2001年ウィーンにデビューしたほか、バスティーユ・オペラ座、コヴェント・ガーデン、チューリヒ歌劇場、ミラノ・スカラ座等で歌う。

リザネク,レオニー  (1926-1998、オーストリア)
 ウィーンに生まれ、ウィーン音楽院で学ぶ。1949年、インスブルックの劇場で『魔弾の射手』のアガーテを歌いデビュー。バイエルン国立歌劇場を経て、ウィーン国立歌劇場のメンバーとなる。1951年、戦後初めてのバイロイト音楽祭でジークリンデを歌い、ワーグナー・ソプラノとしての名声を確立する。

リッチャレッリ,カーティア  (1946-、イタリア)  
 1969年、マントヴァ市立劇場でデビューし、続けて、ヴェネツィア・フェニーチェ劇場、ローマ歌劇場、ミラノ・スカラ座とイタリア国内のオペラハウスに出演。1974年にはコヴェント・ガーデン王立歌劇場に、翌年にはメトロポリタン歌劇場に、それぞれ『ラ・ボエーム』のミミでデビューし、その後世界各地で活躍する。

レッシュマン,ドロテア  (1967-、ドイツ)  
 母国とロンドンで学んだ後、1994年からベルリン国立歌劇場のアンサンブルのメンバーとして数多くの舞台を踏む。同年、アーノンクールが指揮するザルツブルク音楽祭『フィガロの結婚』のスザンナを歌う。その後もドイツの主要な歌劇場で活躍し、世界へと活躍の場を広げている。現在、最も安定感のあるドイツのソプラノ。

ロスト,アンドレア  (1966-、ハンガリー)
 ブダペスト音楽院で学び、1989年、ブダペスト国立歌劇場で『ロメオとジュリエット』のジュリエットを歌いデビュー。1991年からウィーン国立歌劇場と契約し、スザンナ、アディーナ等を歌う。ムーティに認められ、1994年、『リゴレット』のジルダでミラノ・スカラ座にデビュー。美しい声、容姿が揃った正統派のソプラノ。

ロット,フェリシティ  (1947-、イギリス)
 ロンドン王立音楽アカデミーで学び、1975年、イングリッシュ・ナショナル・オペラに『魔笛』のパミーナでデビュー。翌年からコヴェント・ガーデンでも活躍。1990年、メトロポリタン歌劇場にC.クライバー指揮する『ばらの騎士』の元帥夫人でデビュー。以来、洗練されたスタイルを守りつつ、R.シュトラウス等で高い評価を得る。


【ワ】










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