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これまで多くのオペラの入門書が出版されてきました。そのうち、オペラに興味を持った人の始めの一歩から、その後、独力でオペラを楽しんでいく道筋までを示したものはどれほどあったでしょうか。
入門書であっても、ある程度オペラの知識を持っていることを前提として書かれている本が結構あります。こうしたところも、オペラは敷居が高いと言われる原因の一つとなっているのかもしれません。
本書は、初めての人でもオペラを観に行きたいと思ったらすぐに行動に移せるように、チケットの取り方、着ていく服装、さらにはオペラ鑑賞のマナーまで書いておきました。これで安心してオペラを観にいくことができるでしょう。
しかも、ただ本書を読んでいくだけで、オペラを楽しむための基礎知識が自然と身につくように工夫してあります。随所にオペラ用語を解説してありますので、何度かオペラに足を運んでいる人にとっても読んでおいて損はないかと思います。
「オペラ歌手の声」と「オペラの歴史」については、独立した章を設けてあります。今後、オペラを楽しむにあたって、土台となる重要事項だからです。
書店ですぐ目に付くのが、オペラのあらすじ集です。50から100作品、いや、それ以上のオペラのあらすじがぎっしり詰まっています。どれか一冊くらい買っておこうかなと思うかもしれませんが、結局、いくつかの自分の好きなオペラのあらすじを読んでみてあとは本棚に置いてあるだけということになりそうです。
さらに、こうしたあらすじ集にはオペラ作品の見どころ、聴きどころなどがほとんど解説されていません。あったとしても、有名アリアのタイトルを掲げているだけのこともあります。作品の持つ背景をちょっと知っているだけでも、楽しみ方の幅が大きく広がるはずです。本書では、それぞれの作品について鑑賞のポイントが簡単にわかるように解説してあります。
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1.オペラって何?からチケットの入手法、着ていく服装、鑑賞のマナーまで、入門者にわかりやすく解説
2.読んでいるうちに自然とオペラの基礎知識が身につく
3.オペラ歌手の「声」について、その全容がわかる
4.簡潔にオペラの歴史を学べる
5.名作オペラのあらすじと鑑賞のポイント
6.きちんとしたオペラの作品データを掲載
7.STEP UP コーナーで、もっと深い楽しみ方を提示
8.今後のためのオペラ・ブック・ガイド付き
9.巻末に「オペラ作品100リスト」を掲載
10.一冊持っておきたいハンドブックとして最適
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はじめに――オペラって何?
第1章 オペラの「楽しさ」とは何か?
第2章 まず一度、オペラを観にいってみよう
1 初めてオペラを観るなら、この作品をおすすめ
2 国内のオペラ公演とチケットの値段
3 安いチケットを手に入れるには?−−オペラの情報誌
4 どんなホールで公演しているの?
5 予習をしてから観にいこう
6 オペラに出掛けるときの服装
7 プログラムを買おう
8 オペラ鑑賞のマナー
9 オペラが始まったら……
10 休憩時間とカーテンコール
11 次に観るオペラは?
12 オペラはわからないものか?
第3章 オペラ歌手の声の秘密
第4章 知っておきたいオペラの歴史
第5章 名作オペラ〈鑑賞のポイント〉
1 『フィガロの結婚』
2 『ドン・ジョヴァンニ』
3 『魔笛』
4 『セヴィリャの理髪師』
5 『マクベス』
6 『椿姫』
7 『アイーダ』
8 『オテロ』
9 『タンホイザー』
10 『トリスタンとイゾルデ』
11 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』
12 『ヘンゼルとグレーテル』
13 『カルメン』
14 『ラ・ボエーム』
15 『トスカ』
16 『蝶々夫人』
17 『トゥーランドット』
18 『ばらの騎士』
19 『こうもり』
20 『夕鶴』
第6章 オペラ・ブック・ガイド−−さらに理解を深めるために
おわりに−−オペラを楽しむためのヒント
巻末付録 オペラ作品100リスト
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