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                  | Z mrtvého domu From the House of the Dead
 
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                  | 【作曲】
 レオシュ・ヤナーチェク 1927~1928年に作曲
 
 【初演】
 1930年4月12日 ブルノ、国民劇場
 
 【台本】
 作曲者が原作を基に作成(チェコ語)
 
 【原作】
 フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキーの小説『死の家の記録』
 
 【演奏時間】
 第1幕 30分
 第2幕 35分
 第3幕 35分  合計 約1時間40分
 
 
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                  | 【時と場所】
 19世紀半ば、シベリアのイルティシュ河畔の監獄
 
 【登場人物】
 ゴリャンチコフ(Br): 政治犯
 アリイエイヤ(Ms): ダッタン人の少年囚
 ルカ(T): 囚人
 スクラトフ(T): 囚人
 シシュコフ(Br): 囚人
 ほか
 
 【第1幕】
 時は19世紀半ば、舞台はシベリアの流刑地イルティシュ河畔にあるロシアの監獄。そこに新参者としてゴリャンチコフが投獄されます。彼は自分が政治犯だと主張しただけで100回の鞭打ちを受けます。その間に監獄の中庭には、翼が折れ、傷ついた鷲が迷い込みました。
 ・・・囚人の一人ルカは、仲間に、ある少佐をナイフで刺し殺したと話しました。
 
 【第2幕】
 1年後、ゴリャンチコフは、この監獄で親しくなったダッタン人の少年囚アリイエイヤに読み書きを教えてあげることにします。
 ・・・囚人の一人スクラトフは、仲間に、自分から恋人を奪って妻にしたドイツ人を撃ち殺したと話しました。
 この日は祭日で、囚人たちは足枷をはめたまま、芝居の出し物を演じ、それをゴリャンチコフとアリイエイヤは並んで座り、観劇します。その日の夜、酔った囚人の一人が、湯沸かしを少年囚アリイエイヤに投げつけ、大怪我をさせました。
 
 【第3幕】
 監獄内の病院では、アリイエイヤのことをゴリャンチコフが看病しています。
 ・・・囚人の一人シシュコフは、仲間に、他の男を忘れられないという新妻をナイフで刺し殺したと話しました。
 場面が転換し、同じ監獄の中庭。ゴリャンチコフは釈放となります。彼はアリイエイヤに別れを告げます。囚人たちが、世話をしていた鷲を鳥かごから空に放つと、鷲は怪我をした翼で飛び立ちました。それを見て、ゴリャンチコフは、死者が蘇ったと叫んだのでした。
 
 
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                  | 【1】 ヤナーチェク最後のオペラ
 
 このオペラは、ヤナーチェクが作曲した9つのオペラのうち、最後の作品です。しかし、ヤナーチェクは、このオペラの作曲をほぼ終え、推敲を重ねていた時点で肺炎となり、急死してしまいます。そのため、作曲者自身は、このオペラの初演に立ち会うことはできませんでした。残されたスコアを、弟子のオスヴァルト・フルブナとブジェスラフ・バカラの二人が加筆・修正し、1930年にブルノで初演されました。しかし、このフルブナ=バカラ版の修正は、ヤナーチェクの透明感と緊張感のある管弦楽法に余計な厚みを付けてロマン派ふうにし、幕切れを差し替えたもので、改悪だったとの評価を受けます。その後、ラファエル・クーベリックの改訂版(1961)、チャールズ・マッケラスの改訂版(1965)で、フルブナ=バカラ版の加筆が削除され、ヤナーチェクの遺作オペラが理想的な形で聴けるようになりました。
 
 【2】 自由を奪われた囚人たち
 
 ヤナーチェクはロシア文学を好んだと言われ、このオペラの原作は、ロシアの文豪ドストエフスキーの小説『死の家の記録』(1862)に寄っています。ヤナーチェクはこの小説から登場人物を合成するなどして、オリジナルの台本を作成していきました。一貫して監獄の中を舞台とし、永遠に続くかのような、自由を奪われた囚人たちの物語について、ヤナーチェクは「個人の主役」がいないことから、このテーマに興味を持ったと述べたそうです。
 
 【3】 オペラ演出の可能性
 
 このオペラでは、登場する囚人たちが、それぞれどのようにこの「死者の家」にたどり着いたのかを語ります。そのような語りが、旋律となり、歌となり、音楽が施されてヤナーチェクの作曲の個性が発揮されます。無駄のない緊張感あるその音楽は、ヤナーチェクのオペラのたどり着いた頂点を味わうことができます。序曲のような長い前奏曲は、未完のヴァイオリン協奏曲「魂の彷徨い」が使われており、最初から聴きどころが始まります。また、第2幕には、囚人たちによって演じられる劇中劇が挟み込まれ、これをどのように見せるかも演出の注目点です。このオペラは、様々な解釈を試みることができます。
 
 
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                  | 【CD】
 
 
              
                マッケラスとウィーン・フィルによるヤナーチェクのオペラ・シリーズ。マッケラスは1965年にこのオペラのイギリス初演を実現させています。フルブナ=バカラ版の修正を取り除いた批判校訂版。
                        | マッケラス指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団
 イェドリチカ(Br) ヤンスカー(S) ザハラドニーチェック(T) ジーデク(T) ズィーテク(Br)
 (録音1980年、DECCA)
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 【DVD】
 
 
                    
                      ブーレーズとシェローのコンビによるエクサン=プロヴァンス音楽祭の公演。2007年のプロダクションですが、このオペラではオーソドックスな舞台の仕上がりです。アリイエイヤ役をテノールが歌います。
                        | ブーレーズ指揮、シェロー演出 マーラー室内管弦楽団、アルノルト・シェーンベルク合唱団
 ベーア(Br) シュトクローサ(T) マルギータ(T) エインズリー(T)
 (録画2007年、Deutsche Grammophon)
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