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【作曲】
ジュゼッペ・ヴェルディ(1841〜1842年)
【初演】
1842年3月9日 ミラノ、スカラ座
【台本】
テミストクレ・ソレーラ(イタリア語)
【原作】 『旧約聖書』
【演奏時間】
第1部 40分
第2部 30分
第3部 30分
第4部 30分 合計 約2時間10分
(このオペラは「幕」ではなく「部」を使う)
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【時と場所】 紀元前6世紀、イェルサレムとバビロン
【登場人物】
ナブッコ(Br): バビロニア王
アビガイッレ(S): ナブッコが奴隷に生ませた長女
フェネーナ(Ms): ナブッコの次女
イズマエーレ(T): ユダヤ王の甥
ザッカーリア(Bs): ユダヤ教の大祭司
ほか
【第1部】
時は紀元前6世紀。舞台はイェルサレムにあるユダヤ教の神殿の中。バビロニア王ナブッコがユダヤの国に攻め込みますが、ユダヤ教の大祭司ザッカーリアは「ナブッコの次女フェネーナを人質に取っているから大丈夫」とユダヤの人々を励ましていました。かつてフェネーナに助けられたことのあるユダヤ王の甥イズマエーレは、秘かに彼女を愛しています。いよいよナブッコが神殿に踏み込み勝利を宣言したとき、ザッカーリアはフェネーナに短剣を突きつけます。しかし、それをイズマエーレがさえぎってしまうのです。ナブッコは神殿に火を放ち、ユダヤの人々を捕虜として自国バビロニアに連れて帰りました。
【第2部】
舞台はバビロニアの都市バビロンの王宮。ナブッコの長女アビガイッレは、自分が奴隷の娘なので、ナブッコが次女フェネーナに王位を譲ろうとしていることを知り、野心を抱きます。一方のフェネーナはイズマエーレへの愛からユダヤ教に改宗し、ユダヤ人として生きようとしていました。その改宗に怒った父ナブッコは「ユダヤを征服したからには、私がユダヤの王で、私が神なのだ」と叫ぶと、天罰として彼は雷に打たれ、気を失ってしまいました。
【第3部】
ナブッコが倒れている隙に王位を奪った長女アビガイッレは、ユダヤ人と次女フェネーナを処刑しようとします。強制労働を強いられているユダヤの人々は故郷イェルサレムを想い歌うのでした。
【第4部】
正気を取り戻したナブッコは、ユダヤの神に許しを請います。そしてフェネーナとユダヤ人の処刑を阻止するため、剣を取り兵士を率いて彼らを解放し、祖国に帰るように言いました。他方、野望を砕かれたアビガイッレは毒薬を飲んで自決します。ナブッコはユダヤの神に仕える王として讃えられたのでした。
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【1】 合唱曲「行け我が想いよ、黄金の翼に乗って」
このオペラで、最も有名な曲と言えば、第3部で強制労働を強いられるユダヤ人の人々が、故郷を想って歌う合唱曲「行け我が想いよ、黄金の翼に乗って」です。感動的なこの歌はイタリアの第2の国歌とされています。
【2】 バビロンの捕囚
ストーリーは旧約聖書にそった歴史物で、ユダ王国を征服したネブガドネザル2世(オペラではナブッコ)が、約5万人をバビロンに強制移住させた「バビロンの捕囚」を題材としています。ヴェルディの音楽は劇の内容にふさわしく、オラトリオのような荘厳な仕上がりになっています。
【3】 主役にバリトンを起用
普通、オペラの主役はソプラノとテノールが歌いますが、このオペラでは、タイトルにもなっている主役のナブッコを、バリトンが歌います。しかも、最も劇的な表現を必要とするドラマティック・バリトンでなければなりません。オペラ『ナブッコ』はヴェルディの3作目の出世作でした。ヴェルディはこの後、バリトンをキーマンとするオペラを数多く作曲することとなります。
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【CD】
シノーポリ指揮
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団、合唱団
カップッチッリ(Br) ディミトローヴァ(S) テッラーニ(Ms) ドミンゴ(T) ネステレンコ(Bs)
(1982、Deutsche Grammophon) |
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20世紀の大バリトン、カップッチッリが表題役のナブッコを理想的に歌っています。シノーポリの指揮は曲を大きく捉えた、悠然とした演奏。他にもドミンゴやネステレンコなど、特に男声陣がすばらしい歌唱を実現していて充実した仕上がりとなっています。
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