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ロメオとジュリエット






オペラ・データ

【作曲】
シャルル=フランソワ・グノー(1865〜66年)

【初演】
1867年4月27日 パリ、リリック劇場

【台本】
ジュール・バルビエ、ミシェル・カレ(フランス語)

【原作】
ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』

【演奏時間】
第1幕 40分
第2幕 30分
第3幕 30分
第4幕 60分
第5幕 20分  合計 約3時間00分



あらすじ

【時と場所】 
14世紀、イタリアのヴェローナ

【登場人物】
ロメオ(T): モンタギュー家の息子
ジュリエット(S): キュピレット家の娘
ローラン神父(Bs): 修道士
ほか

【第1幕】
時は14世紀のルネサンスが興隆した時代。舞台はイタリアのヴェローナ。この地のモンタギュー家とキュピレット家は犬猿の仲で、始終抗争を繰り広げていました。
キュピレット家で催された仮面舞踏会に忍び込んだモンタギュー家のロメオは、そこでキュピレット家の娘ジュリエットと出会い、二人は一目で恋に落ちます。しかし、その直後に二人はお互いの家が仇敵の間柄だということを知ったのでした。
 
【第2幕】
夜、ロメオはキュピレット家の庭に忍び込み、ジュリエットの部屋に向かってセレナードを歌います。気が付いた彼女はバルコニーに出て、いつでも結婚すると約束しました。
 
【第3幕】
夜が明けて、ロメオとジュリエットは修道院に駆け込み、ローラン神父のもとで結婚式を挙げました。
その一方、キュピレット家の前の通りで両家のいざこざが起こり、争いとなります。駆けつけたロメオは、目の前で親友が殺されたのを見て逆上し、友の敵に切りかかり致命傷を負わせました。その結果、ロメオはヴェローナの町から追放となります。
 
【第4幕】
ジュリエットはロメオのこと許し、二人は結婚初夜を迎えました。翌朝、ジュリエットは親が用意した相手と結婚させられることとなります。ジュリエットがローラン神父に事情を話すと、ローラン神父は彼女に仮死状態になる薬を飲むことを勧めました。
 
【第5幕】
不運なことに、事の次第を記したローラン神父の手紙は、ロメオの手に届いていませんでした。眠っているジュリエットを見てロメオは自分も毒をあおりました。その直後、ジュリエットは仮死状態から目覚めたのです。二人が対面したときはすでに時遅く、ロメオは死に向かっていました。ジュリエットは短剣で自らを刺し、二人はくちづけを交わしながら倒れたのでした。



解説(ポイント)

【1】 シェイクスピアの古典
 
『ロミオとジュリエット』と言えば、誰もが知っているシェイクスピアの代表作ですよね。オペラとして有名なのはこのグノーの作品のほかに、ベッリーニの『カプレーティ家とモンテッキ家』があり、また、バーンスタインのミュージカル『ウェストサイド物語』はこの『ロミオとジュリエット』のニューヨーク版として親しまれています。グノーのオペラがロミオではなくロメオなのは、フランス語読みをしているからです。グノーのオペラの中でも『ファウスト』に次いで、最も人気のある作品の一つです。
 
【2】 グノーの敬虔で美しい旋律
 
グノーの音楽作品の中で最も有名なのは、バッハの平均律クラヴィーア曲集の第1巻第1番に旋律を書き加えた形で作曲した歌曲「アヴェ・マリア」ではないでしょうか。グノーは別に気負いすることなく即興でこの歌曲を作曲したところ、瞬く間に人気が出てしまって随分いい思いをしたそうです。グノーはローマに留学したときにパレストリーナに傾倒し、パリに帰ってきた後も教会のオルガニストを務めています。こうした下地がグノーの宗教曲に対する才能を開花させたのかもしれません。オペラでもその美しい旋律の中に、宗教曲の敬虔さが感じられます。
 
【3】 ロメオとジュリエットの二重唱
 
かといって、敬虔で静かな音楽のみではありません。このオペラではロメオとジュリエットの二人の情熱的な二重唱が、実に4曲も用意されています。出会い、バルコニーでの愛の語らい、結婚の夜、そして死という各場面の二重唱は、それぞれが傑作として名高いものです。まだ自分たちの運命に気づいていない平和な二重唱から、次第に二人に迫る運命に気づく中でロメオとジュリエットはどのように歌い継いでいくのでしょうか。各二重唱を比較しながら聴いてみるのもおもしろいと思います。。



おすすめディスク

【CD】
プラッソン指揮
トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団、合唱団
アラーニャ(T) ゲオルギュー(S) ファン・ダム(Bs)
(録音1995年、EMI CLASSICS)
 
ロメオとジュリエットをセットで理想的なカップルを選ぼうとしたら……、やはりこのアラーニャ・ゲオルギュー夫妻の、しかもまだ若いとき(アラーニャ32才、ゲオルギュー30才)の録音をつい手にとってしまいます。ここでは特にアラーニャの歌唱に聴き応えがあります。ローラン役のファン・ダムや他の配役も理想的。







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