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【作曲】
ジャコモ・プッチーニ(1920〜24年) フランコ・アルファーノ
【初演】
1926年4月25日 ミラノ、スカラ座
【台本】 ジュゼッペ・アダミ、レナート・シモーニ(イタリア語)
【原作】 カルロ・ゴッツィの寓話劇『トゥーランドット』
【演奏時間】
第1幕 40分
第2幕 50分
第3幕 40分 合計 約2時間10分
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【時と場所】 伝説の時代、中国の北京
【登場人物】
トゥーランドット(S): 中国皇帝の娘
カラフ(T): ダッタンの王子
リュー(S): ティムールに仕える女奴隷
ティムール(Bs): ダッタンの元国王、カラフの父
ほか
【第1幕】
時は伝説の時代、舞台は中国の北京、紫禁城前の広場。絶世の美女でしたが氷のように冷たい心を持つ皇帝の娘トゥーランドット姫は、「3つの謎を解いた者を夫として迎えるが、その謎を解けなかった者は斬首の刑」としていました。この日もまた犠牲者が出て、広場では群衆が刑の執行を待ち異様な興奮に包まれています。
その混乱した広場で、ダッタンの元国王で放浪の身だったティムールと、生き別れになっていたその息子カラフが再会します。しかしそれも束の間、カラフは斬首の命令を下すために姿を現したトゥーランドットを一目見ると、その美しさに魅せられ、謎解きに挑戦すると言い出したのです。ティムールに仕えていた女奴隷リューは、ひそかに王子カラフを慕っており、謎が解けなければ彼は命を取られ、そして老いた彼の父も取り残されてしまうと泣き崩れました。しかしカラフの決意は堅く、謎解きに挑戦することになりました。
【第2幕】
謎解きの儀式の準備が整い、トゥーランドットが姿を現し、カラフへの3つの謎解きが始まります。
一、毎夜に心によみがえるのは? ………「希望」
二、燃え上がるが火ではないのは? ……「血潮」
三、火をつける氷とは? …………………「トゥーランドット」
カラフは見事に3つの謎を解いたのですが、動揺したトゥーランドットは彼の妻となることを拒みます。そこでカラフは「夜明けまでに私の名を明らかにできたら、命を捧げよう」と逆に謎を出したのでした。
【第3幕】
トゥーランドットから「夜明けまでにあの見知らぬ者の名がわかるまで北京では誰も寝てはならぬ」と命令が下され、群衆は血眼になって調べ始めます。そしてカラフと話をしていたとして捕まったのはティムールとリュー。リューは自分だけが彼の名前を知っていると言い、拷問にかけられます。しかし、口を割りません。トゥーランドットに「なぜそんなに耐えるのか」と問われ、リューは「それは愛の力」と言って短剣で自ら胸を刺し自害して果てます。
群衆が去り、カラフとトゥーランドットが二人きりになったとき、カラフは拒もうとする彼女にキスをします。そして自らの名を明かしたのです。夜が明けて、群衆の前でトゥーランドットは彼の名がわかったと勝利を宣言しながらも、「彼の名は『愛』」と叫び、二人は結ばれたのでした。
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【1】 プッチーニ、最後のオペラ
このオペラはプッチーニの最後のオペラで、第3幕ラストのトゥーランドットとカラフの二重唱からは、プッチーニが残したスケッチを弟子のアルファーノが補筆し完成させました。そのため、このオペラを初演した指揮者のトスカニーニは、二重唱の前のリューの死の場面が終わると指揮棒を置き、「作曲者はここのところで亡くなりました」と言って演奏を中断し、全曲演奏は翌日に持ち越されました。
【2】 アリア「誰も寝てはならぬ」
北京を舞台にしたスケールの大きいグランド・オペラとして、合唱を中心に迫力のある場面が繰り広げられます。中国調の旋律が流れ、オリエンタルな雰囲気の中に様々な工夫が凝らされていて、3つの謎解きなど見どころの多いオペラです。また、特に第3幕のカラフのアリア「誰も寝てはならぬ」は、勝利への思いとトゥーランドット姫への愛を熱烈に歌い上げるテノールのアリアとして、最も人気のある曲となっています。
【3】 リューの自己犠牲
タイトル・ロールとしてトゥーランドットの存在は圧倒的なのですが、オペラの中で重要なポイントとなるのがリューの存在です。このリューという役は、原作にはなかったのですが、プッチーニ自身が加えました。カラフを慕い、自らの命を賭けて彼への愛を表現するリューには、第1幕のアリア「王子、お聞きください」、第3幕のアリア「氷のような姫君の心も」の2つのアリアが用意されていて、その痛切な歌は、終演後も私たちの胸に強い印象を残すことでしょう。
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【CD】
カラヤン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団
リッチャレッリ(S) ドミンゴ(T) ヘンドリックス(S) ライモンディ(Bs)
(録音1981年、Deutsche Grammophon) |
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カラヤンがこの壮大なオペラをふさわしいスケールで聴かせてくれます。名を秘めた王子を歌うドミンゴも十分な出来。リッチャレッリはどちらかというとリューが似合うかと思いますが、このディスクのトゥーランドットへの起用は、大味になりやすいこの役に新鮮な空気を吹き込み成功しています。
【DVD】
メータ指揮、イーモウ演出
フィレンツェ五月祭管弦楽団、フィレンツェ五月祭合唱団
カゾッラ(S) ラーリン(T) フリットリ(S) コロンバーラ(Bs)
(録音1998年、BMG) |
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このDVDのすごいところは、本当に北京の紫禁城を舞台としているところです。まさにスペクタクルとはこのことで、イタリアからスタッフが乗り込み、一流の歌手を従えてすばらしい舞台が完成しました。演出は中国を代表する映画監督チャン・イーモウ。CDも出ていますが、これはぜひ映像を見ておきたいステージです。
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