トップ > 初めてからの基礎知識 > 3.





















2023年新刊
名作オペラをやさしく解説



面白いほどわかる!
オペラ入門
名アリア名場面はここにある

 神木勇介 著

 青弓社 発行
 定価1,800円+税

詳しくはこちら


オペラのことをいちから学ぶ
声、歌、音楽、演出について



オペラ鑑賞講座 超入門
楽しむためのコツ

 神木勇介 著

 青弓社 発行
 定価1,600円+税

詳しくはこちら


「オペラ情報館」が
本になりました



オペラにいこう!
楽しむための基礎知識

 神木勇介 著

 青弓社 発行
 定価1,600円+税

詳しくはこちら





3.初めて観る人におすすめの
オペラ






初めてオペラを観るなら、この作品をおすすめ

初めて観るオペラには、ずばり、ヴェルディの『椿姫』か、プッチーニの『トスカ』をおすすめします。もちろん、初めて観るのに際して、他のオペラでも一向に問題ありません。あくまで、「例えば」のことです。
 
ここでおすすめの『椿姫』と『トスカ』の2つの作品は、日本で上演される機会が比較的多いので、観に行きやすいでしょう。そして、オーソドックスな演出で上演されれば、間違いなくオペラの醍醐味を味わえるはずです。
 
『椿姫』は、パリの社交界を舞台にしていて、第1幕では、タキシードを着た男性と、イブニングドレスを着た女性が華やかに舞台を彩り、オペラらしい舞台を見ることができます。加えて、そういった華やかさとは裏腹に、第3幕では、ヒロインであるヴィオレッタが歌う切ない歌に、涙を誘われることと思います。
 
『トスカ』は、プッチーニが作曲したオペラです。プッチーニの音楽はロマンティックで、私たち日本人にとても人気があります。例えば、テノールが歌う第1幕のアリア「妙なる調和」や、第3幕のアリア「星は光りぬ」など、きっと感動できると思います。また、オペラの本場イタリアが舞台となっていて、教会やお城といった場所で物語が展開します。
 
これら2つのオペラの楽しみは、これだけではありません。両方のオペラとも全3幕の構成になっていますが、真ん中の第2幕には、とても内容の濃い「二重唱」が用意されています。この『椿姫』の二重唱の場面、『トスカ』の二重唱の場面はそれぞれ、数あるオペラの中でも名場面とされていて、オペラの「奥深さ」も体験できることでしょう。
 
このように『椿姫』と『トスカ』は、
 
 (1) 日本でもおなじみのオペラで観に行きやすい
 (2) オペラらしい「舞台」と、人気のある「歌」
 (3) 内容も充実していて、より深くオペラを味わえる
 
というわけで、初めて観る人におすすめです。
 
 
ただし、これら2つの作品は、両方とも「悲劇」ですので、ちょっとストーリーが暗い・・・。最初はもっと明るい「喜劇」を観たいという人のために、次に喜劇オペラのおすすめを紹介します。



「悲劇」よりも「喜劇」の方が好みという人には

初めてオペラを観るのに、おすすめのオペラ。オペラ全体で主流の「悲劇」よりも、明るい「喜劇」の方が好みという人には、ずばり、モーツァルトの『フィガロの結婚』か、ロッシーニの『セヴィリャの理髪師』をおすすめします。
 
両方の作品とも、日本での上演機会が多く、特に『フィガロの結婚』に関しては、音楽雑誌などで少し探してみれば、すぐに見つけることができると思います。
 
『フィガロの結婚』の一番の魅力は、モーツァルトの音楽でしょうか。まずクラシックを、まずオペラを聴くならば、モーツァルトの音楽は欠かせません。『フィガロの結婚』の生き生きとしたストーリーに、モーツァルトの音楽がとてもよくフィットしています。初めて観る人でも、どこかで耳にしたことのある旋律を持つ有名なアリアがあります。
 
ただし、一つだけ注意すべきは、『フィガロの結婚』は多くの個性的な登場人物が、錯綜して舞台の上に現れます。そういった目まぐるしい展開が、このオペラの楽しさの一つなのですが、混乱しないためにも、あらすじには一度目を通しておくことをおすすめします。
 
それに比べると『セヴィリャの理髪師』は、どちらかと言えばお話の筋は単純です。何の準備をすることなく、気軽に楽しめるでしょう。特に後半の第2幕は、ストレートに笑いを誘います。
 
この『セヴィリャの理髪師』の主な登場人物は、『フィガロの結婚』にも現れます。実は『セヴィリャの理髪師』の「その後」を描いたのが『フィガロの結婚』なのです。もしどちらかのオペラを観る機会があったなら、ぜひもう一方のオペラも観てみることをおすすめします。新たな発見があることは間違いありません。
 
さて、最後にもう一つ、もし「喜劇」を楽しむのなら、J.シュトラウスのオペレッタ『こうもり』から入ることもおすすめです。いかにも重厚に感じる「オペラ」よりも、少し軽い「オペレッタ」というジャンルに属していますが、内容は決して見劣りするものではありません。
 
親しみやすいウィンナー・ワルツの調べに乗って、わかりやすいストーリーが展開します。観賞後はきっと、「次はオペラを観てみようかな」と思うことでしょう。
 
初めてオペラを観るのに「喜劇」をお好みの方には、
 
 (1) モーツァルトの名作『フィガロの結婚』を
 (2) 姉妹編の『セヴィリャの理髪師』もおすすめ
 (3) オペレッタの『こうもり』から入るのも一手
 
というような選択肢を掲げたいと思います。
 
 
< 前頁 / 目次に戻る / 次頁 >







Copyright (C) 2005-2023 Yusuke Kamiki. All Rights Reserved.